2026/05/10 ブログ
ラボ型開発とは?エンジニア不足を補う新たな選択肢のメリット・注意点・導入前に知るべきこと
ラボ型開発とは?エンジニア不足を補う新たな選択肢のメリット・注意点・導入前に知るべきこと

近年、DX推進やシステム開発に取り組む企業では、エンジニア不足が大きな課題になっています。新規サービス開発、既存システムの保守改修、顧客ごとのカスタマイズ対応など、開発ニーズは増えている一方で、社内だけで十分な開発体制を確保することは簡単ではありません。

こうした背景から注目されているのが、外部の開発チームを一定期間確保し、自社の開発体制の一部として活用する「ラボ型開発」です。

本記事では、ラボ型開発の基本的な仕組み、受託開発やSESとの違い、メリット、向いている企業、導入前に知っておきたい注意点を解説します。


目次

 

  1. ラボ型開発とは
  2. ラボ型開発が注目されている背景
  3. 受託開発・SES・ラボ型開発の違い
  4. ラボ型開発の主なメリット
  5. ラボ型開発が向いている企業・案件
  6. ラボ型開発が向いていないケース
  7. ラボ型開発の一般的な進め方
  8. ラボ型開発でよくある課題・難しい点
  9. ラボ型開発を成功させるために重要なこと
  10. まとめ:ラボ型開発は、継続的な開発体制をつくる選択肢

 


ラボ型開発とは

ラボ型開発とは、一定期間、外部のエンジニアや開発チームを確保し、自社専属の開発チームのように活用する開発形態です。

受託開発のように、あらかじめ仕様や納品物を明確に決めて依頼するのではなく、チームの稼働を確保しながら、その時々の優先順位に応じて開発や改善を進めていく点が特徴です。

たとえば、自社サービスの機能追加、既存システムの保守改修、顧客ごとのカスタマイズ対応など、継続的に開発業務が発生する企業と相性が良い開発形態です。

同じメンバーが継続して関わることで、システム構造や業務知識、開発ルールへの理解が蓄積され、長期的には開発スピードや品質の向上も期待できます。


ラボ型開発が注目されている背景

ラボ型開発が注目されている背景には、エンジニア採用の難しさと、開発ニーズの継続化があります。

近年、多くの企業でDX推進や業務効率化、新規サービス開発が進む一方、即戦力となるエンジニアの採用は難しく、採用コストや開発単価も高くなりやすい状況です。

また、システム開発は一度作って終わりではありません。リリース後も、機能追加、不具合修正、ユーザー要望への対応、制度変更に伴う改修などが継続的に発生します。

そのため、単発の外注だけでは改善スピードを維持しづらく、毎回新しい開発会社に仕様や背景を説明する手間も発生します。

ラボ型開発は、外部に継続的な開発体制を持つことで、こうした課題を補う選択肢です。開発リソースを確保しながら、システムや業務への理解をチーム内に蓄積できる点が注目されています。


受託開発・SES・ラボ型開発の違い

ラボ型開発を理解するには、受託開発やSESとの違いを整理すると分かりやすいです。

受託開発は、仕様や納品物、納期を決めたうえで開発を依頼する形です。作りたいものが明確で、完成物を納品してもらいたい場合に向いています。

SESは、エンジニア個人の稼働を一定期間確保する形です。社内の開発チームに一時的な人手や特定スキルが必要な場合に活用されます。

一方、ラボ型開発は、外部に専属または準専属の開発チームを確保し、継続的に開発を進める形です。開発内容や優先順位を柔軟に調整しやすく、同じチームにシステム理解や業務知識が蓄積されやすい点が特徴です。

仕様が明確な単発開発には受託開発、人員補強にはSES、継続的な改善や追加開発にはラボ型開発が向いています。

 

開発形態

特徴

向いているケース

受託開発

成果物を決めて依頼する

仕様が明確な新規開発

SES

エンジニア個人の稼働を確保する

社内チームの一時的な人員補強

ラボ型開発

専属チームを一定期間確保する

継続的な追加開発・保守改修

 


ラボ型開発の主なメリット

ラボ型開発の大きなメリットは、開発リソースを継続的に確保しやすいことです。社内でエンジニアを採用するには時間もコストもかかりますが、ラボ型開発を活用することで、自社採用だけに依存せず開発体制を整えられます。

また、仕様変更や優先順位の変更に対応しやすい点も特徴です。一定期間チームの稼働を確保する形のため、その時々の状況に応じて開発タスクを調整しやすくなります。

さらに、同じチームが継続して関わることで、システム構造や業務知識、過去の開発経緯が蓄積されます。その結果、毎回説明する手間が減り、長期的には開発スピードや品質の向上も期待できます。

オフショア型のラボ開発であれば、国内エンジニアだけで体制を組む場合と比べて、コストを抑えやすい場合もあります。

このように、ラボ型開発は単なる人員補強ではなく、継続的に開発できる体制を外部に構築する手段として有効です。


ラボ型開発が向いている企業・案件

ラボ型開発は、一度きりの開発ではなく、継続的に改善や追加開発が発生する企業・案件に向いています。

たとえば、自社サービスやSaaSを運営している企業では、リリース後も機能追加、UI改善、不具合修正、管理画面の改修などが継続的に発生します。このような場合、同じチームが継続して関わることで、改善スピードを維持しやすくなります。

また、既存の業務システムや自社パッケージを持つ企業にも適しています。顧客ごとのカスタマイズ、法改正対応、保守改修などが日常的に発生する場合、外部に継続的な開発体制を持つメリットが大きくなります。

特に以下のような企業に向いています。

・自社サービスやSaaSを継続的に改善したい企業
・既存システムの保守改修や追加開発が多い企業
・顧客ごとのカスタマイズ対応が発生する企業
・社内にPMや責任者はいるが、開発リソースが不足している企業
・採用に依存せず、中長期で開発体制を確保したい企業

このように、ラボ型開発は「作って終わり」ではなく、継続的に開発・改善していくプロダクトやシステムと相性の良い開発形態です。

 


ラボ型開発の一般的な進め方

ラボ型開発を導入する際は、いきなり大きな開発を任せるのではなく、目的や体制を整理したうえで段階的に始めることが一般的です。

まず、既存システムの保守改修を任せたいのか、新機能開発を進めたいのか、顧客ごとのカスタマイズ対応を外部化したいのかなど、依頼したい業務を整理します。

次に、必要なスキルセットやチーム体制を検討します。エンジニア1名から始める場合もあれば、ブリッジSE、バックエンド、フロントエンド、QA担当などを組み合わせる場合もあります。

契約後は、キックオフを行い、対象システムの概要、仕様書、開発ルール、運用ルールなどを共有します。その後、小規模なタスクから開発を始め、定例ミーティングやレビューを通じて少しずつ対応範囲を広げていきます。

一般的な流れは以下の通りです。

1. 開発課題・依頼業務の整理
2. 必要なスキルセットの確認
3. チーム体制の検討
4. 契約・キックオフ
5. 仕様書や開発ルールの共有
6. 小規模なタスクから開発開始
7. 定例ミーティング・レビュー
8. 必要に応じて体制や担当範囲を拡張

ラボ型開発では、最初から大きな成果を求めるよりも、外部チームにシステムや業務を理解してもらいながら、段階的に開発体制を整えていくことが重要です。


ラボ型開発の課題

ラボ型開発は、継続的な開発体制を構築できる一方で、導入すればすぐに成果が出るとは限りません。特に立ち上げ初期は、外部チームが自社の業務内容やシステム構造を理解するまでに一定の時間がかかります。

また、業務システムやパッケージ開発では、コードだけでなく、業界特有のルールや過去の仕様変更、顧客ごとの例外対応なども理解する必要があります。こうした知識は仕様書だけでは伝わりにくく、継続的な共有が欠かせません。

さらに、チケット管理やレビュー基準、質問方法などが曖昧なままだと、認識ズレや手戻りが発生しやすくなります。特にオフショア型の場合は、言語や商習慣の違いもあるため、コミュニケーション設計が重要です。

主な課題は以下の通りです。

・立ち上げ直後は生産性が上がりにくい
・業務知識や既存仕様の共有に時間がかかる
・コミュニケーション設計が不十分だと手戻りが増える
・メンバーの入れ替わりでナレッジが失われる可能性がある
・発注側にも仕様確認や優先順位判断の体制が必要

ラボ型開発を成功させるには、単に外部エンジニアを確保するだけでなく、外部チームを自社の開発体制として機能させるための仕組みづくりが重要です。


ラボ型開発を成功させるために重要なこと

ラボ型開発を成功させるには、外部チームを単なる作業リソースではなく、自社の開発体制の一部として運用していくことが重要です。

まずは、小さなタスクから始めることが大切です。いきなり大規模な機能開発を任せるのではなく、軽微な改修や不具合修正から始めることで、外部チームがシステム構造や開発ルールを理解しやすくなります。

また、コーディング規約、レビュー基準、チケット管理方法、完了条件などを明確にしておくことで、品質のばらつきや認識ズレを防ぎやすくなります。

業務知識や仕様判断の背景も、できるだけドキュメントとして蓄積していくことが重要です。担当者の頭の中だけに情報がある状態では、外部チームにナレッジが定着しにくくなります。

成功のポイントを整理すると、以下の通りです。

・小さなタスクから始め、段階的に対応範囲を広げる
・開発ルールやレビュー基準を明確にする
・業務知識や仕様判断の背景をドキュメント化する
・定例ミーティングやチケット管理のルールを整える
・同じメンバーが継続して関われる体制を作る
・発注側の意思決定者と確認担当者を明確にする

ラボ型開発は、契約して終わりではなく、運用しながらチームを育てていく開発形態です。中長期の開発体制づくりとして捉えることが、成果につなげるポイントです。


まとめ:ラボ型開発は、継続的な開発体制をつくる選択肢

ラボ型開発は、外部のエンジニアや開発チームを一定期間確保し、自社の開発体制の一部として活用する開発形態です。

自社サービスや業務システム、パッケージシステムのように、リリース後も機能追加や保守改修が続く領域では、同じチームが継続して関わることで、システム理解や業務知識が蓄積されやすくなります。

一方で、ラボ型開発は外部に任せれば自動的に成果が出る仕組みではありません。仕様共有、タスク管理、レビュー、フィードバックなど、発注側と開発側が連携する仕組みが必要です。

そのため、ラボ型開発を導入する際は、単なる人員補強ではなく、中長期的な開発体制づくりとして考えることが大切です。

継続的な開発リソース不足に悩んでいる企業にとって、ラボ型開発は受託開発やSESとは異なる有効な選択肢になり得るでしょう。

 


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